賃貸物件にカビができると厄介?事前の対策が重要
カビの原因を追求するには、壁を壊すなど大掛かりな対処が必要です。また、カビの発生には入居者の使い方が大きく関係しますが、具体的な原因はなかなか特定できません。このようにカビの原因を特定するのは困難なため、事前にカビが発生しないよう日頃のカビ対策が重要です。
カビが発生すると入居者からのクレームだけではなく、入居者の退去や次の入居者が見つからないなどさまざまなデメリットが生じます。不動産会社や大家さん、管理会社に迷惑をかけてしまうため、賃貸マンション・賃貸アパートのカビ対策は入念に行いましょう。
賃貸物件に有効なカビ対策は以下の4つが挙げられます。
- こまめに換気を行う
- 除湿機・除湿剤を設置する
- サーキュレーター(送風機)で空気の循環を促す
- 窓に防湿フィルムを貼る
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
こまめに換気を行う
カビの発生の主な原因は気温と湿気です。一般的に、温度25度・湿度70%以上の環境になれば、カビは短期間で繁殖するといわれています。そのため、カビ対策にはこれらの環境を避けることが求められます。
室内の気温と湿度を下げるためには、こまめな換気が有効です。部屋の窓を開けて風通しを良くし、湿気がこもらないようにしましょう。
部屋の換気は、特別な道具を使用せずに行える便利なカビ対策です。入居者募集中の空き物件であっても、こまめに訪れて定期的に換気をすることでカビ発生を防ぐことができます。仕事の都合で訪れるのが難しい場合には、大家さんに依頼しましょう。
除湿機・除湿剤を設置する
花粉が気になる季節や雨の日は、窓を開けての換気が難しくなります。そのような場合におすすめのカビ対策は、除湿機を活用することです。特にヒーター付きの除湿機を使うことで、気温が低い冬場でも除湿が叶い、結露の発生を防ぐことができます。
ただし、除湿機は電気を必要とするため入居者がいない状態では活用できません。そのような状況では、除湿剤の設置がおすすめです。
除湿剤にはさまざまなタイプがありますが、タンク型の除湿剤を選ぶと部屋の中のあらゆる場所へ設置できます。湿気が発生しやすい水回りやこもりやすい密閉空間など、複数個設置するとより高い効果が期待できます。また活性炭入りの除湿剤を選ぶことで、やっかいなカビ臭への対策も可能です。
サーキュレーター(送風機)で空気の循環を促す
除湿機だけでなく、サーキュレーターもカビ対策に有効な家電のひとつです。サーキュレーターとは、空気を循環させるために使う機械のことです。扇風機と同じように見えますが、扇風機よりもファンが小さく、直接的に風を送るのに優れています。
サーキュレーターを使うことで部屋全体の空気の循環を促し、空気中の水分が凝固するのを防いでくれます。窓の近くの他、外壁に面する壁の近くに置くとより効果的です。
サーキュレーターには電池式のものもあるため、人が住んでいない賃貸物件にも使うことができます。また、ポータブルタイプのサーキュレーターをいくつか持ち歩いておくと、管理している賃貸物件を訪れたときに設置できるため便利です。
窓に防湿フィルムを貼る
カビ発生の原因には家の中の水分量も関係するため、できるだけ水気を減らす必要もあります。水回りの対策はもちろんのこと、窓に発生する結露もカビの大きな原因のひとつです。
結露は、部屋の中と外の温度差が大きい場合に窓に発生します。窓ガラスについた結露を放置するとカビになるため、結露が発生しないような窓ガラスにすることが重要です。そこでおすすめなのが、窓に防湿フィルムを貼ることです。
ただし、賃貸物件は大家さんの所有物のため、たとえ管理をしていても勝手に防湿フィルムを貼ってはいけません。大家さんに確認を取ったうえで、管理者が変わったときのために跡が残らないものを選びましょう。
もしできてしまった場合誰が対処するのか
賃貸物件で発生したカビの対応責任は、状況によって以下のように異なります。
入居者が負担する場合 | 結露の放置によるカビ発生・不十分な換気、清掃によるカビ発生 |
大家さんが負担する場合 | 構造上の問題によるカビ発生・水漏れなどのトラブルによるカビ発生 |
入居者の利用状態が原因でカビが起きた場合は入居者の責任、トラブルや建物が原因の場合は大家さんの責任です。大家さんが管理を不動産会社や管理会社に依頼している場合、不動産会社・管理会社が責任を負わなければいけません。